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国が試算した私たちの将来の基礎年金受給額を生まれた年度別にまとめた表を作りました。
最初に下のブログカードをクリックして表を見てください。
国が試算した昭和29年から平成4年生まれまでの人の将来の基礎年金額の表です。
年金の受給額が減っていくのがわかると思います。若い人ほど金額が減っていきます。
経済ケース別ってどういう意味
林さん、表の見方が良く解らないよ?「経済ケース別」ってどういう意味?
うん、これから表の見方を説明するから、続きの記事を読んでくれる。
次の表を見てください。
この表は昭和29年(1954年)生まれの人の国が試算した将来の基礎年金額です。
経済ケース別に将来の年金受給見込額が違います。
国の年金財政検証では6つの経済ケースで試算されています。
将来どれくらい経済成長して、どれくらい物価や賃金が上がるかを6つのケースに分けて試算しているのです。
ケースⅠ(1)が一番経済成長をして物価や賃金が1番上がるケースです。
ケースⅡ(2)、Ⅲ(3)とだんだん下がっていき、ケースⅥ(6)が一番経済成長しません。
物価や賃金が一番上がらないのがケースⅥ(6)です。
次の表を見てください。
この表は2019年の年金財政検証の資料から作成した表です。
経済ケース別の賃金と物価の上昇率です。
年金の財政検証はこの表の賃金と物価の上昇率を基に試算されています。
こんなんじゃわからないよ!
そうだね、率だけでは実感しづらいね。次の表を見て、2019年度の年金財政検証の標準世帯の人達の収入を使って41年後の2060年にどれくらい収入が上がるか試算した表なんだ。
この表もわかりづらいね、でもさっきの表よりはわかる。
ねえ、可処分所得は、お給料から税金や社会保険料を引いた手取り額だよね、じゃあ、標準報酬ってなに、給料のこと?
そうだよ、社会保険では給料の支給総額を標準報酬って言っているんだよ。
実質と名目って何が違うの?
名目はそのままの金額なんだよ。
実質は物価の上昇で調整した金額なんだよ。たとへば、給料が10万円で10年後に給料が倍の20万円になったとしたら名目の給与が2倍になったと言うんだよ。でも物価も上がって今まで10万円で買えたものが15万円になったら、給料が倍になったとは言えないでしょう。
じゃあ、何倍になったの?
賃金の上がった分を物価の上がった分で割ったのが実質賃金になるんだ。
この場合は20万円(賃金)÷15万円(物価)で給料が1.33倍になったと考えるんだよ。つまり実質の給与は10万円×1.33倍で13万3千円になるんだ。国の試算はすべて実質値で計算しているんだよ。
なんかわかりづらいね!
そう思って、名目値だけの表を作ったんだ。わかり易いように名目可処分所得を手取り額、名目標準報酬を給与支給額にした表なんだよ
給与がこんなに上がる訳がない
この表は国が試算した2060年の経済ケース別の手取り金額です。
この表なら何とかわかる。
2019年に35万7千円だった手取り額がケースⅥ(6)だと53万2千円になると言うことだよね。え~なに、ケースⅠ(1)だと2060年には136万1千円になるの?本当にそんなに上がるの?
そう思うだろ!
給与支給額は43万9千円から170万円になるんだよ。
170万円!そんなの無理でしょ。日本はここ20年以上賃金が上っていないんだよね。ケースⅥ(6)の65万4千円でも無理な気がするよ。
その通りだよ、ムク。だからね、しあわせ研究所ではあえて、一番賃金が上がらないケースⅥ(6)を表の一番先頭に持ってきたんだよ。
国の年金財政検証ではケースⅠ(1)から順番にケースⅡ(2)、Ⅲ(3)と並んでいます。
しあわせ研究所はあえて表の順番を逆にしました。その方が現実に近いと考えたからです。
日本の賃金は一番賃金が上がらないケースⅥ(6)よりも上がっていません。
年金はもらいだしてから金額が上がることはない
林さん、もう1つ聞きたいことがあるんだけど。
なんだい。
年金額ってもらい始めてからでも上がるの?たとへば、平成4年生まれの人の将来の年金額だけど年を取るたびに年金額が増えているよね。
この表のこと
この表は国が試算した、平成4年生まれの人の将来の年金額です。
そうそうこの表、
ケース1(1)では65歳で8万円だった基礎年金額が90歳で9万4千円に上がっているでしょう。
いいところに気が付いたね、ムク。
年金では67歳以下の受給者を「新規改定者」、68歳以上の年金受給者を「既改定者」というんだけどね、この表は「既改定者」の将来の年金受給額の表なんだ。そして、「新規改定者」と「既改定者」は年金額の改定方法が違うんだよ。
どう違うの?
「新規改定者」は賃金に比例して年金額が上がっていくんだけど、「既改定者」は物価に比例して上がることになっているんだよ。
物価が上がったから年金額も上がるの?
違うんだよムク、上の表の基礎年金額は実質値、つまり物価で調整した年金額なんだよ。だから本来なら同じ金額が続くんだ。途中から上がることは決してないんだよ。
8割ルールがあるから金額が上がる
それじゃあどうして上がるの。
8割ルールがあるからあがるんだよ。
なにそれ?
国の年金財政検証では物価より賃金の方が上がっていくんだよ。だから賃金の上昇率で改定する「新規裁定者」の年金額の方が物価で改定する「既裁定者」の年金額より高くなってしまうんだ。
8割ルールと関係あるの。
「新規裁定者」と「既裁定者」の金額が開きすぎないように「8割ルール」で調整しているんだよ。
どういう意味?
たとへば、新規裁定者の年金額が10万円で既裁定者年金額が7万円だとしたら、既裁定者の年金額は新規裁定者の7割だろ。
わかった、既裁定者の年金額を8割の8万円以下には下げないようにしているんだね。
その通りだよ、ムク。
でもね、8割ルールは法律になっていないんだよ。
じゃあ、年金額は途中から上がらないかもしれないの?
その通りだよ、ムク。
既裁定者の年金額は下がることはあっても、上がることはおそらくないだろうね。
なぜ新規裁定者と既裁定者の年金額は違う
林さん、なんで「新規裁定者」と「既裁定者」の年金額が違うの。それに経済ケースⅠ(1)だと基礎年金は6万5千円以上になるよね、どうして?
これも良い質問だね。
実は、これに国の年金財政検証のカラクリが隠されているんだよ。
どんなカラクリ?
それは「研究テーマ2」で詳しく説明する予定なんだ。
国の年金財政検証には他にも多くのカラクリがあるんだよ。
なぜ既裁定者の年金額は減っていく
わかった、じゃ最後にどうして「既裁定者」の年金額が減っていくか教えて。
それもいい質問だね。
私たちの年金は高齢化と少子化による「マクロ経済スライド」により減っていくんだよ。
マクロ経済スライドってなに?
詳しい説明は次の記事でする予定なんだ。
でもまだ書いていないんでしょ!
ごめんね、すぐ書くつもりなんだけどね。なかなか時間が取れなくてね。ところでムク、この記事で基礎年金が4万円になることを実感した?
年金が減るのは間違いない
うん、今の日本は経済ケースⅥ(6)より悪いもんね、本当に私たちの基礎年金は4万円になるかもしれないんだね。たとへ経済成長しても年金は減っていくんだね。
そう。たとえ基礎年金が4万まで減らなくても、減っていくのは間違いないからね。
このままだと、私たちの年金は間違いなく減っていきます。
多くの人の年金額が生活保護費以下になるでしょう。
しあわせ研究所は基礎年金とベーシックインカムだけで老後の生活できる社会が必要だと考えています。
ようやく3つ目の記事「なぜ年金が減っていく」が書き終わりました。ぜひ読んでください。
厚生年金(報酬比例年金)の将来の年金額
ところで林さん、基礎年金がどうなるかわかったけど、厚生年金はどうなるの?
うん、表にしてみたんだけど、わかりづらくてね。それでエクセルファイルで作ったんだ。
厚生年金の将来の年金額は表ではなくエクセルファイルで作りました。
表にすると画像が多くなりすぎて、見づらくなるからです。
見やすくするために生まれた年度を選択して見るようになっています。
見るためにはエクセルが入ったパソコンが必要です。
スマホでは生まれた年度を選択して見ることができません。
申し訳ありません。
エクセルの入ったパソコンの方は、次のボタンをクリックして、エクセルファイルをダウンロードして、【編集を有効にする】をクリックして見てください。
昭和29年から平成10年までに生まれた方の国が試算した将来の厚生年金(報酬比例年金)の年金額を選択して見ることができます。
基礎年金ほどは減らないのですが、厚生年金も減っていきます。
※マクロは使っていませんので安全です。
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