この記事は前編と後編に分かれています。
⑤見えない格差が見えない訳 後編
負担が見えないから不満を言わないpart 2
え!どういう意味?不満を持つ人を少なくするため?
その通りだよ。社会保険料の全額を給料から直接引けば、「高すぎる」と不満を持つ人がもっと増えると思うよね。でも今の制度みたいに会社が半分負担しているように見えれば、不満が言いづらくなると思わないかい?
それって、国がわざと国民に不満を持たせないために、会社に半額負担させて見えなくしているっていう意味?
わざとしているかはわからないけど、結果としてそうなっているね。長い歴史の中から国を統治している人達が学んだのかもしれないね。特に年金は戦費調達のために始めたと言われているからね。消費税やガソリン税など間接税が増えるのもそのためだろうね。
それって時代劇に出てくる、お代官様の年貢の取り立てが厳しくてお百姓さんが反発して一揆をおこすやつ?
その通り。所得の低い人達が反発して一揆を起こさないために会社に半分負担させていると考えてもいいね。
会社が半額負担してくれて助かっていると多くの人が思っているよね。
そう。所得の低い人達の多くが勘違いをしているんだ。所得の低い人達が自分たちの負担の重さに気が付かないのは会社が保険料を半額負担しているからなんだよ。
確かに月収30万円の人達が社会保険料だけで9万円も引かれていると実感したら、「何とかしてくれ」と声を上げるかもしれないね。その上に消費税が10%ならなおさらだよね。
そうなんだよ。しあわせ研究所は所得あまり多くない人たちが声を上げてくれるのを期待してこのブログを立ち上げたんだよ。
給料明細を見てください
しあわせ研究所は社会保険料の負担の重さと老後の不安が少子化の一番の原因だと考えています。
年収600万円以下の人は自分の給料明細書を見てください。
あなたの給料明細書が証明です。
所得税や住民税に比べて社会保険料(厚生年金と健康保険料)が高いのを実感するはずです。
しかも本当の負担額はその2倍以上です。
月収30万円位の人は社会保険料だけで4万5千円位あるはずです。
それを2倍して下さい。9万円位になります。
それがあなたの本当の社会保険料の金額です。
そんなに払っているのです。
間接税も見えない負担になっている
所得税を減らしても、所得の低い人達の生活は変わりません。
そして、社会保険料と同様に消費税やガソリン税、酒税など間接税を増やせば増やすほど所得の少ない人の生活が大変になります。
この間接税も社会保険料の会社負担と同様に見えない負担になっています。
間接税が増えるほど所得の低い人達の生活が苦しくなります。
今、国会では’N分のN乗課税’の議論をしています。
確かに’N分のN乗課税’にすれば家族の多い人ほど減税になります。
しかし所得税減税を議論しても所得の低い人達の生活には関係ありません。
喜ぶのは所得の高い家族の多い人達だけです。
国は所得の多い人達に、たくさん子供を産んでもらって少子化を解決しようとしているのでしょうか?
所得の少ない人は子供を産むなと言っているのでしょうか?
愚かなことしているとしか思えません。
社会保険料は自分のための負担?
でも林さん。社会保険料で払ったお金は年金や医療費の形で将来の自分に返ってくるんだよね。
その通りだよ。社会保険料は税金と違い将来の自分のための負担なんだ。これを「応益負担」というんだ。利益が自分に還る負担という意味なんだよ。
お金がある新自由主義者の人達は「応益負担」なんだから自分の責任で払うべきだと言います。
確かにその通りです。
そのために所得の少ない人達は不満を言うことをためらいます。
所得の少ない人が声を上げないのは社会保険料は自分のための負担で、自分の責任で払うべきだと思っているからです。
そしてそれが格差を余計に見えなくしています。
しかしこのままでは少子化は終わりません、続きます。
解決できるのは国だけ
少子化はよる人口減少は日本人にとって最大の問題です。
出生率が2を割る民族(日本人)はやがて滅びてしまうからです。
そして少子化を解決できるのは国だけです。
国は少子化を解決するために、さらに社会保険料や消費税を上げて、子育て世帯を応援しようとしています。
しかし、考えてみて下さい。世の中には所得が高い人より低い人の方が圧倒的に多いのです。
社会保険料や消費税を上げれば、所得の少ない人達は今まで以上に結婚や子供を持つことが困難になります。
まさに悪循環になります。
所得の高い人達の子育てを応援しても、社会保険料や消費税を上げたら本末転倒です。
少子化は決して解決しません。
むしろ悪くなる可能性の方が高いです。
長生きになっても安心して暮らせる社会が必要
社会保険料や消費税が高くなったのは私たちが長生きになったせいです。
しあわせ研究所は誰もが長生きになっても安心して暮らせるようにお金の流れを少し変えなくてはいけないと考えています。
そしてそれができるのは国だけだと考えています。
でも、何とか出来るの?
今の国のやり方では何も変わらないと考えているんだ。国は決まって「予算がないからこれ以上はできない、予算の範囲で出来るだけのことをしている」で終わるからね。
わかった、何とかするためにベーシックインカムと国の投資が必要なんだね。
その通りだよムク、ベーシックインカムと国の投資の必要を理解してもらうのがこのブログの最大の目標だからね。
理解してもらえるといいね。
ねえ、これで「見えない格差」の研究は終わり?
まだあるんだ、実はね、「見えない格差による少子化」は日本だけの問題ではなく、世界中の先進国で始まっているんだ。でもそれは「研究テーマ2」で詳しく取り上げるつもりなんだ。
じゃ次の記事は?
次の記事はしあわせ研究所が考えているベーシックインカムの記事を書くつもりなんだ。特に財源についてね。
でもまだ書けていないんでしょう。
ごめんね、頑張るからね。
やっと6番目の記事「しあわせ研究所の考えるーシックインカム」が書き終わりました。ぜひ読んでください。
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