しあわせ研究所が考えるベーシックインカム ▶▶

なぜ年金が減っていく

この記事は約8分で読めます。

しあわせ研究所にようこそ☆

「少子高齢化」と「マクロ経済スライド」の関係を記事にしました。

私たちの年金は高齢化を踏まえて徐々に減り続け、今の水準になりました。しかし高齢化は想定していた以上に進み、少子化は予想すらしていませんでした。

この想定以上の「高齢化」と、予想すらしていなかった「少子化」による労働者の減少を埋め合わすために考え出されたのが「マクロ経済スライド」です。

私たちの年金はこれから「マクロ経済スライド」により減っていきます。

生活保護費以下の年金しかもらえない人が増えていくでしょう。


しあわせ研究所は、高齢化は日本が素晴らしい国だという証明で、変えられないし、変える必要がないと考えています。しかし、少子化は解決することができる問題で、すぐにでも解決しなくてはいけない問題だと考えています。


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国は保険料を上げ続け、消費税を10%にした

国は高齢化社会を見据えて、将来の年金給付のために、昭和60年頃から少しずつ厚生年金の社会保険料を値上げしてきました。そして、平成29年に厚生年金の社会保険料率が18.3%になり固定しました。

同様に国民年金の保険料も上げていきました。

給料が30万円なら厚生年金の保険料だけで約5万5千円になります。健康保険を合わせると保険料は約8万5千円になります。大変な負担です。

その上に消費税も10%に上げました。

そして、少しずつ年金受給額を減らしていきました。

年金額は年齢が高い人ほど多い

次のグラフを見てください。
昭和21年に生まれた人たちのもらう年金は大正15年(昭和1年)に生まれた人たちの70%くらいしかありません。



ムク
ムク

本当だ、大正15年生まれの人は年金が30万円以上あるのに昭和21年生まれの人は20万円よりちょっと高いだけだね。

  林
  林

毎月30万円年金がもらえれば安心だろう。もちろん水準が高いだけで、超高齢者の人達がみんな多く年金をもらっているわけではないけどね。

年金額は1歳違うだけで少なくなる

ムク
ムク

そうだね。ところで林さん、少しずつ年金受給額を減らしたと書いてあるけど、年金の金額は年齢によって違うの?

林

そうなんだよ、次のグラフを見てくれる。きれいに右下がりになっているだろう。

この表はしあわせ研究所が試算した生年月日(年齢)別の年金受給額です。
見てわかるように1歳違うごとに年金額が下がっていきます。

/

ムク
ムク

本当だ、一歳違うたびに年金額が低くなっているね。

上のグラフは単身者の厚生年金受給額の推移です。

驚くほどきれいに右下がりになっているのがわかると思います。

これは毎年、一定の率で、20年間かけて引き下げたためです。一定の率とは報酬比例が約1.4%,定額単価が約3.1%です。1歳違うだけでもらえる年金の額が違います。

年金額が減ったのはこれだけではありません。

平成11年改正法で「5%適正化」と称して、年金の給付乗率を5%下げました。

これは生年月日別の年金ではなく、年金を受け取っている人達全員の報酬比例の年金です。一気に全ての年金受給者の給付乗率を下げたのです。

国は年金額が急に下がると問題になるので、名目値を下げないようにと従前保障しながら調整して減らしました。そして、現在でもその従前保障が続いています。

マクロ経済スライドは必要なかった

私たちの年金は「マクロ経済スライド」によりこれからさらに減っていきます。

「マクロ経済スライド」は保険料をこれ以上に値上げせず固定したままにして、高齢化と少子化で働く人が減る分だけ、年金額を減らしていく制度です。

しかし、しあわせ研究所は平均寿命が85歳までの高齢化なら「マクロ経済スライド」は必要なかったと考えています。

国は高齢者1人を労働者2人で支えるように保険料を上げ、消費税を増やし、年金受給額を減らして調整してきたからです。


ムク
ムク

林さん、どうして高齢者1人を支えるのに労働者が2人必要なの?

  林
  林

良い質問だね、そう、たとへば、国民年金は20歳から60歳迄、40年間保険料を払って、65歳から平均寿命の85歳くらいまで20年間くらい年金をもらうよね、もし少子化がなく、出生率が2で、毎年同じ数の子供が生まれたとしたらどうなる。

ムク
ムク

どうなるの?

  林
  林

たとへば、毎年1人の子供が生まれたとしたら働く人が40人、高齢者が20人になるよね。つまり、働く人40人÷高齢者20人=2人となるよね。

ムク
ムク

うん、わかった。40人が20歳から60歳の若い人で、20人が65歳から85歳までのお年寄りだね。

少子化で年金が減っていく

  林
  林

その通りだよムク。でもね、これから少子化で若い労働者がどんどん減っていくんだよ。

ムク
ムク

2人から何人くらいに減るの?

  林
  林

次のグラフを見てくれる、このまま少子化が続くと高齢者1人を支えるのに労働者が1.2人から多くても1.4人くらいに減ってしまうんだよ。

下の表は国が試算した将来の高齢者を支える労働者の数です。

見てわかるように高齢者を支える若い労働者の数は減っていきます。

出生率が低位の1.25だと高齢者を支える若い労働者は1.12人とほぼ1人の高齢者を1人の若い労働者が支えることになります。



ムク
ムク

本当だ、じゃあ1.4人に減ると年金はどのくらい減るの?

  林
  林

大体35%くらい減ると推計されているんだ。つまり年金が35%以上減るかもしれないということなんだよ。

ムク
ムク

どうすればいいの?

少子化は解決できる問題

  林
 林

簡単なんだよ、少子化を終わらせればいいんだ。次のグラフを見てくれる。

下の表を見てください。
出生率が2.2だと高齢者を支える若い労働者の数は2.3人とほぼ2人になり、安定します。



ムク
ムク

本当だ、出生率が2.2だと2045年までは減るけど、それから上がっていき、高齢者を支える若い労働者は2人以上になるね。


もし、このまま賃金が上がらず、年金の資産運用がうまくいかなく、少子化が止まらなかったら、私達のもらう年金は少なくとも35%以上減ってしまいます。

これから年金が減る主な原因は「少子化」による労働者の不足です。

もちろん、85歳以上のさらなる超高齢化も原因ですが「少子化」ほど影響しません。

しあわせ研究所は、少子化は解決することができる問題だと考えています。
そして、すぐにでも解決しなくてはいけない問題だと考えています。


ムク
ムク

解決するために「ベーシックインカム」が必要なんだよね。

  林
 林

その通りだよ、ムク。

ムク
ムク

高齢化はもっと進むの?

林

そうなんだよ、でもね、しあわせ研究所は、高齢化は日本が素晴らしい国だという証明で、変えられないし、変える必要がないと考えているんだ。

むく
むく

でも、どうするの?

  林
  林

少子化を解決して、高齢者を支える若い労働者が2人になるまでは国債の発行が必要だと考えているけど、賃金が高齢化に合わせて上がっていけばすぐに解決できると考えているんだよ。

ムク
ムク

大丈夫なの?

  林
  林

高齢化はまだすすむけど、ペースは落ちているしね。解決できる問題だから心配はいらないよ。詳し方法は後の記事で説明するからね。

ムク
ムク

わかった。


私たちの年金は何もしなければ今まで以上に減っていきます。

しかし、しあわせ研究所は少子化も高齢化も解決できる問題だと考えています。

そして、解決するためには「ベーシックインカム」と「国債を発行して投資」をすることが必要だと考えています。


ムク
ムク

ところで林さん、少子化の原因は何?

林

良い質問だね、しあわせ研究所は「見えない格差」で少子化が始まったと考えているんだよ。

ムク
ムク

「見えない格差」ってなに?

  林
  林

それを次の記事で書く予定なんだよ。

ムク
ムク

でもまだ書いていないんでしょ。早く書いてね。

  林
  林

やっと次の記事「④見えない格差と少子化」が書き終わりました。ぜひ読んでください。


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